ディクテーションは英語リスニング力の向上にどうなのか?

ディクテーションは英語リスニング力の向上にどうなのか?他に良い学習方法があるのでは?

ディクテーションは英語リスニング力の向上にどうなのか?

英語リスニング力向上のためにディクテーションをやるのが効果的とコメントされている方々が多くおられるようです。

大学入試、TOEIC、英検などの受験生の方々が、英語リスニング力向上のために、ディクテーションに取り組むべきなのかを解説したいと思います。

 

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ディクテーションのやり方・効果

まずはOxford辞書で“dictation”の原義を調べてみました。

”a test in which students write down what is being read to them, especially in language lessons”

訳すと「特に語学レッスンで、生徒が音読されたものを書き留めるテスト」となります。

原義では“dictation”は語学におけるテストの一種なのですね。

日本でも一般に英語学習での「ディクテーション」は英語音声を書き留める勉強や試験を意味しています。

英語ディクテーションの勉強の仕方は、いろいろ流儀があるようで、1つのやり方が確立されている訳ではないようですが、一般英語学習者向けにかなり簡単なやり方として、以下のようなものが提示されています。

(1) 書き留める作業はせず、一度、英語音声を最初から最後まで聞いて、どのような内容の英語音声なのかを理解する。

(2) 英語音声を5回から10回繰り返して聞いて、聞き取れた英単語を書き留めていく。

(3) 英語音声のスクリプトと自分の書き留めた英文を照らし合わせて、間違えたところを確認する。

このような感じですが、生徒や受験者の英語リスニング力を評価・測定する側からすると、非常に楽な試験です。

正解・不正解の判断が比較的難しい英作文に比べると、ディクテーションは正解が1つしかなく、正解・不正解がはっきりしていて、採点も非常に簡単です。

したがって、ディクテーションは生徒や受験者の英語リスニング力を評価する手段としては優れたやり方と言えます。

英語リスニングとディクテーション 
英語リスニングとディクテーション

大学入試、TOEIC、英検などの受験生の方々が、英語リスニング力向上のために、ディクテーションに取り組むべきか?

このようなディクテーションという英語学習ですが、大学入試、TOEIC、英検などの受験生の方々が、英語リスニング力向上のために、ディクテーションを取り入れるべきでしょうか?

正直、筆者は懐疑的です。

ディクテーションにおける不正解と学習対策は、基本的に以下のパターンとなります。

(1) 知らない英単語で、音声が認識できなかった。

⇒この場合の学習対策は、まずは新たな英単語の記憶学習が必要で、その上で英語音声認識力の増強も必要となります。

(2) 知っていた英単語だけれども、音声が認識できなかった。

⇒この場合の学習対策は、英語音声認識力の増強となります。

(3) 知らない英単語だったけれども、音声は聞き取れたが、英単語のスペリングを間違えた。

⇒この場合の学習対策は、新たな英単語の記憶学習となります。

(4) 知っていた英単語で、音声も聞き取れたが、英単語のスペリングを間違えた。

⇒この場合の学習対策は、既存学習英単語の復習となります。

このようにディクテーションはあくまで現時点での英語音声認識力の確認と英単語力の確認手段となります。

残念ながらいくらディクテーションを大量にやっても、それ自体が英語リスニング力の向上に直接つながるものではないのです。

いくらたくさん英語音声を聞いてディクテーションをしても、聞き取れない英単語はいくら精神集中しても聞き取れないのです。

聞き流し英語が英語リスニング力の向上に懐疑的という論調が出始めていますが、音声を聞くところがメインというのはディクテーションも同じです。

しかも、ディクテーションはやってみると判りますが、全文ディクテーションだと、問題1問やるのにかなりの労力と時間を要して、学習効率が非常に悪いものがあります。

大学入試、TOEIC、英検などの受験生の方々は、他の科目の勉強や仕事で忙しく、他にもっと効率的な代替手段があるなら、そちらで英語リスニング力の向上を図った方が良いという判断になろうかと思います。

英語リスニング力の評価試験として、ディクテーションがあるなら、出題形式に慣れると言う意味で、それなりに問題演習をすることは必要だと思います。また、時々、自分の英語リスニング力を評価すると言う意義はあると思います。

しかし、英語リスニング力強化のためにディクテーションを採用するのはあまり賢明とは言えないと思います。

高校や大学受験予備校の先生から、英語リスニング力強化のために、ディクテーションをやってみたらとアドバイスを受けた方もおられると思います。

実際やってみて、止めてしまった方も多いと思います。

理由は簡単です。ディクテーションは勉強時間と労力がかかる割に、英語リスニング力の向上が感じられないからです。

ものすごく効果が上がる方法なら、口酸っぱくやれと言わなくても、やりますよね。そうでないから、やらない訳です。

ディクテーション学習が続かないというのはとても自然なことだと思います。

英語リスニングとディクテーション 
英語リスニングとディクテーション

大学入試、TOEIC、英検などの受験生の方々が、英語リスニング力向上のために、取り組むべき勉強法

それでは、大学入試、TOEIC、英検などの受験生の方々が、英語リスニング力向上のために、どのように勉強すれば良いのでしょうか?

日本人が、英語リスニングを苦手とする理由は、英文法力の不足、英単語・英熟語力の不足なども大きいですが、それは、別途、学習して頂くとして、それを除くと、大きな要因としては英音認識力不足が挙げられます。

そもそも日本語と英語とでは発声特性が構造的に大きく異なるため、日本語聴覚脳では英語音声を単語単位で意味を認識することが難しく、単なる音の流れとしか認識できません

英語リスニング力を向上させるためには、英語聴覚脳を構築することが有効な手段となります。

英語構築脳を効率よく構築するためには、英語発声特性を十分に加味した英文音読が有効な勉強方法となります。

文音読は英文テキストを見つつ英語音声を聞いたあと、英語音声はいったん止めて、英文テキストみながら英語音声をまねて発声する勉強方法です。

文音読は、英語リスニング力を向上させるのに有効など聞いてトライした方も多いと思います。そして止めてしまっていると思います。

理由は簡単で、英文音読に労力と時間をかけても期待したほど英語リスニング力が向上しないからです。

なぜ、文音読をしても英語リスニング力が思ったほど伸びないのでしょうか?

それは日本語発声特性で英文音読をしてしまうからです。

日本語発声特性で英文音読をいくらしても英語聴覚脳を構築することはできません。

英語聴覚脳を構築するには、英語発声特性を十分発揮して、英文音読をすることが必須です。

日本語と英語の発声特性の違いがどこにあるのか、それを踏まえて、日本人はどのように英語発声すべきなのかは、英音研学習サイトにて詳しく説明していますので、そちらをご覧ください。

そして、英語聴覚脳を構築し、英語リスニング力を向上させるためには、日本語と英語の発声特性の違いを理屈として理解するだけでは不十分で、英語発声特性を十分に加味した英文音読トレーニングを継続的に積む必要があります。

そのトレーニング教材も英音研学習サイトで提供していますので、ぜひともトライしてみてください。

これまでとは違った世界を体験することができますよ。

英語リスニングとディクテーション 
英語リスニングとディクテーション

まとめ

ディクテーションという勉強やテストは、あくまで現時点での英語音声認識力と英単語力の測定手段として有効なものです。

しかし、大学入試、TOEIC、英検などの受験生の方々にとって、ディクテーションは英語リスニング力向上のために取り組むべきで勉強方法ではないと考えます。

ディクテーションは学習するのに時間と労力がかなり必要な割に、効果が今一歩となりがちです。

それよりも英音研学習サイトで英語発声特性に基づいた英文音読トレーニングを1日15分間で良いので毎日実行し、より効率的に英語聴覚脳を構築し、英語リスニング力向上に向けて着実に成果を出すべきだと思います。

大学入試、TOEIC、英検などの受験生の方々は、他の科目の勉強や仕事で多忙でもあり、成果があまり期待できない手法に時間を費やすべきでないと思います。

ぜひ英音研学習サイトでの英文音読トレーニングで英語リスニング向上に向けて着実に成果を出し、その分、他の科目の勉強に時間を振り向けて、人生の目標を達成されることを願っております。