英国経営大学院(ビジネススクール)で日本人の英語力は通用したか?

英国経営大学院(ビジネススクール)で日本人の英語力は通用したか?

英国経営大学院(ビジネススクール)で日本人の英語力は通用したか?

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英米経営大学院(ビジネススクール修士課程へのチャレンジ

筆者は生まれも育ちの日本で、日本語環境にどっぷりつかり、日本語が母国語の日本人です。

大学での同級生から「米国にビジネススクールという経営大学院があって、その修士課程を卒業するとMBA(Master of Business Administration)と言われて、卒業後の就職先企業の年俸が1000万円を超えるらしい。自分は裕福でないので、何かの奨学金を得て、ビジネススクールで勉強したい」という話を聞きました。

高校時代、大学受験勉強に明け暮れて視野が狭く、そのような話は初めて聞きました。そんなにすごい話なら、自分もチャレンジしてみたいと考えました。しかし、大学時代は、学部の専門科目の勉強も大変で、米国留学準備勉強以前にやらなければならないことが満載で、また当時はまだ就職対策向けのTOEICや英検の成績が問われることもなかったので、英語力評価試験対策の学習もする必要もありませんでした。

大学を卒業後の就職先では海外留学制度があり、同期でも数人がチャレンジしようとしていました。大学時代に聞いていたビジネススクール(経営大学院)への留学のチャンスが現れ、勤務時間以外は必死になって社内選抜試験を突破すべく勉強しました。

当時、米国人以外が米国のビジネススクール修士課程に応募するには、TOEFL(Test of English as a Foreign Language)とGMAT(Graduate Management Admission Test)という2つの試験成績を願書に添付することになっていて、一定の点数を超えることが目標となっていました。

TOEFLはその当時は英文読解、英語での数学問題とリスニングの3部構成でした。数学問題は英語とは言え、高校数学を勉強した日本人にとっては非常にやさしく、英文読解とともに点数を稼ぐ一方、リスニング問題の得点は今一歩という典型的な日本人の得点パターンでした。

GMATは、米国のビジネススクルール(経営大学院)希望者が成績を添付する試験で、その当時、読解問題と英語での数学問題の2部構成でした。GMATはビジネススクール入学を希望する米国人も受験するテストなので、読解問題は非常に難しくて得点が伸び悩み、数学問題で点数を稼ぐという感じでした。

そして海外留学向け英語学習を4年間続けたところ幸運にも英国留学の奨学金制度に合格し、当初予定の米国を変更して英国の経営大学院に留学することになりました。

英米の大学
英米の大学

英語リーディング力

経営学の教科書ですが、内容を理解する分には、日本の大学受験向け勉強で鍛えた英語リーディング(英文読解)で十分対応できました。

そのビジネススクールでは講義が終わると講義に関連するいくつかの章を合計150ページくらい読んで、レポートを書くというパターンが多かったのですが、読むスピードが遅いため教科書の指定の章を3時間かけてもとても読み切れません。

他の多くの学習科目もあり、課題の全ページを読み通す時間的余裕はなく、仕方がないので、章のイントロ、章の中のチャート、章のサマリーのみを読んでレポートを書くというパターンに陥っていました。

英国人の方は、読むスピードが日本人と比べて格段速いようで、150ページくらいは1時間ほどで読破しているようでした。日本の英語教育の主力であった英語リーディング(英文読解)が、読書スピードという点では通用しないという状況でした。

英語テキストを読む
英語テキストを読む

英語ライティング力

日本の大学受験向け勉強で鍛えた英語ライティング(英作文)ですが、宿題のレポートや試験の時に自分の考えを何とか表現することは可能でした。

ただ、日本の大学受験では、選択した単語が英文法として正しければ、英語らしい表現というのはあまり問われず、正解となっていましたが、本場英国ではそれは通用しません。

大学院の教授からは「一部の海外留学生(ほぼ日本人のこと)は、読むに堪えないつたない表現の英語のレポートが提出されている」と苦言を呈されていました。

英語レポートを書く
英語レポートを書く

英語リスニング力

留学前、日本にいたころから懸案だった英語リスニング力の弱さは、当然ながら英国に行っても課題を露呈していました。

日本人の英語リスニング力の弱さをすぐ認識しくれる英国人同級生たちは手加減して易しい英単語・英熟語を使ってくれて、ゆっくり話してくれるので、話している内容が理解できますが、英国人同士の会話を理解するのは非常に厳しいものがありました。

大学院の授業に関しては、テキストベースに進めていくスタイルだったので、テキストを見ながらですので、どのような講義しているのか理解できますが、テキストがなかったら、状況はかなり厳しかったと思います。

英語を聞き取る
英語を聞き取る

英語スピーキング力

一番伸びたと感じられたのが、英語スピーキング力でした。

ともかく自分の考えを伝えるには話すしかない訳で、英語スピーキングの機会が、日本にいるときもよりも格段に増加し、そうせざるを得なかったのが理由だと思います。

しかし、そうだとは言え、英単語力や英熟語力が増強されたというより、自分の英単語・英熟語力の範囲内で何とか意思を表明することができるようになったという感じでした。

英単語・英熟語力に関しては、海外にいたとしても自然に向上するわけではなく、別枠での追加的な努力は必須です。

また英語スピーキング力がついたと言っても、公式の場で通用するようハイレベルな英語スピーキング力でないことも課題だった思います。

英語を話す
英語を話す

まとめ

日本の大学受験英語レベルでの英語力、さらに大学・社会人になって少し積み上げた英語力は、最低限、英国のビジネススクールでサバイバルするのには役立ちましたが、読む事、聞く事の英語主要4技能が英国社会で十分に機能できたかというとかなりきびしいものがありました。

中学・高校の6年間の学校英語教育でそれなりの得点力に達し、その後の数年の独自英語学習を加えても、英国経営大学院で不自由なくコミュニケーションをとるということは難しく、日本帰国後の課題として残りました。英音研学習は、その際の口惜しさが原動力となり、最大の課題だった英語リスニングに関して開発されたものとなります。

英米大学院卒業
英米大学院卒業