どうすれば英語スピーキングを独学で伸ばすことができるか?グーグル翻訳を活用した1人でできる英語スピーキング上達法

どうすれば英語スピーキングを独学で伸ばすことができるか?グーグル翻訳を活用した1人でできる英語スピーキング上達法

どうすれば英語スピーキングを独学で伸ばすことができるか?グーグル翻訳を活用した1人でできる英語スピーキング上達法

英語の4大能力と言われている「読む」「書く」「聞く」「話す」のうち、「読む」「書く」「聞く」は1人で学習することができますが、「話す」は基本的に相手が必要となり、その学習機会を得ることが簡単ではありません。

それでも何とか1人で英語スピーキングを独学で伸ばしたいと考えている人は多いと思います。

本稿では、多忙な大学生・社会人にフォーカスをあてて、Google翻訳を活用した1人でもできる英語スピーキング上達法を解説しています。


日本人における英語スピーキングの学習機会

日本人で大学入試突破に向けてかなりの時間をかけて英語の勉強をされた方は多いと思います。そのおかげで机上で文字がメインの英文読解や英作文などはそこそこ何とかなるという方も多いと思います。

昨今、英語リスニングに関しては大学入試の科目として重視されつつあるので、学習された方も多いと思いますが、結構苦手な方が多いと思います。

さらに英語スピーキングとなると、英検で試験科目としてあるので少し学習された方もあろうかと思いますが、大学入試科目の英語でスピーキングを取り入れているところは殆どないため、高校時代に英語スピーキングを本格的に学習をするモチベーションは低いものと思います。大学入試を突破し、就職活動のためにTOEICを勉強された方もおられると思いますが、就活のためのTOEICはReading とListeningが試験科目となっているスタイルのものが評価されるため、英語スピーキングを本格的に学習するモチベーションは大学時代でも非常に少ないと思います。

どうやれば自分1人だけで英語スピーキングを独学で伸ばすことができるのか?
どうやれば自分1人だけで英語スピーキングを独学で伸ばすことができるのか?

これまでよくあった英語スピーキング学習方法

音声付きの英会話書籍・教材

この種の英会話書籍・教材は基本的には表現パターンプラクティスという方法論のものが多くなっています。表現パターンが頭に入れば、場面に応じて英単語・英熟語を入れ替えれば、様々なパターンで話せるはずだというものです。これらの教材を使えば基本的には1人で英語スピーキングの表現パターンを独学で学習することができます。

この種の英会話書籍・教材における状況・表現パターンとしてはいくつか種類があります。

 

・状況シーン別

例えば海外旅行関連ですと、入国審査、土産店、ホテルでのよくある会話が掲載されています。状況シーン別に英語表現を学習していれば、その後は場面ごとに必要な英単語・英熟語を入れ替えれば、その場面での会話ができるはずだという発想だと思います。

 

英語表現パターン別

喜び・怒り・哀しみ・楽しみなどの感情表現パターンや「~についてどう思いますか?」「~されてはどうですか?」などの表現パターンを学習していくものです。これらを学習すれば、その後は場面ごとに言いたいことに対して、必要な英単語・英熟語を入れ替えれば、自分の気持ち・考えを表現できるはずだという発想だと思います。

 

・英文法の学習テーマ別

英文法の否定文、疑問文、仮定法な英文法の学習テーマ別に表現を学習します。英語の先生が英会話書籍を企画・執筆すると、このパターンとなりがちです。これらの英文法が理解できれば、その後は場面によって英単語・英熟語を入れ替えれば、様々な表現パターンで話せるはずという理屈です。大学入試英語で英文法を熱心に学習した人はこのやり方で英語スピーキングは何とかなるはずと考えている人も多いと思います。

 

筆者は上記のすべての方法にチャレンジしましたが、残念ながらどの方法論でも英語をすらすら話せるようにはなりませんでした。現実に話したい内容に対して、学習した表現パターンにあてはめて、その場で適切な英語表現内容として組み立てる部分がどうしてもスムーズにいかないのでした。

 

英会話スクール教室

英会話スクールでは、英語ネイティブスピーカーが講師であったりして、本格的な英語発音でインタラクティブに英語を学習することが可能となります。

英語ネイティブスピーカーを相手にお話慣れすることは可能となりますが、英会話教材としては、上記の3つのようなパターン学習がメインとなり、それらの学習の欠点の克服は難しいものとなります。さらに1カ月数万円という高価な学習費用のため、なかなか多くの時間と費用を英会話スクールに費やすことは難しくなります。

何年も英会話スクールに通ったけれども、英語をすらすら話せるようにならなかったという声はよく聞きます。

 

オンライン英会話スクール

世界的なインターネットの進化・普及により、英会話教室に行かなくてもオンラインで英語ネイティブスピーカーから簡単に英会話レッスンを受けることができるようになりました。費用も英会話教室に比べて格安ですので、費用的な面でのハードルも非常に下がりました。しかし、学習の仕方が表現パターンプラクティスのままだと、上記の英会話教材や英会話教室における課題は残ったままとなります。フリートークのようなレッスンの場合、自身による表現パターンがマンネリ化し、英語スピーキング力を進化・高度化させることは難しいものとなります。

どうやれば自分1人だけで英語スピーキングを独学で伸ばすことができるのか?
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英語スピーキングの目標レベル設定

専門科目の学習で忙しい大学生・大学院生、担当業務で超多忙な社会人にとって、英語学習ばかりに時間を割く訳にはいきません。時間を割くことができた英語学習時間でも、英単語・英熟語記憶、英文法、英文読解、英語リスニングと学習項目も多くあり、英語スピーキングばかりに時間を割く訳にいきません。業務多忙な大学生・社会人としては、短い時間で多くの効果が出せる英語スピーキング学習戦略が必須となります。

そのためにまず考える必要があるのが、英語スピーキングの目標レベル設定です。

英語スピーキング力のレベルは以下のように大きく分けられます。

 

よくある日本人の英語スピーキングレベル

自分の話したいことをまず日本語で思い浮かべて、それを頭の中で英作文をして、それを発声するようなレベルです。頭の中で言いたいことを英作文することも簡単ではなく、英文がなかなかスムーズには思い浮かばず、発言が詰まってしまいがちです。

大学入試英語での読み・書き重視で英語学習をしてきた方々はこういう感じの英語スピーキングが非常に多いと思います。自分の話したいことを日本語で思い浮かべて、それを頭の中で英作文するので、英会話のテンポも悪いものになります。

この状況から早く脱することが目標となります。

 

英語ネイティブスピーカーレベル

仕事の時でも家庭においても、思ったことは何でも日本語を介さずにすらすら英語で話せるレベルです。

日本育ちの日本人は、日本語を話す際に、いちいち頭の中でこれから話す内容を組み立ててから話すと言うことは基本的にはありません。言いたいことがあればそれを日本語で口に出して言うだけです。しかし、英語となるとそうはいかないのが、多くの日本人の実態だと思います。小さい頃から英米等に長年在住された日本人の方々を除き、普通の日本人で英語ネイティブスピーカーレベルに達することができる人は、よほどの天性の語学才能のある人か、ものすごい時間と労力をかけて努力した一部の方々だと思います。

普通の日本人で多忙な大学生、大学院生、社会人が英語ネイティブスピーカーレベルを目指すのはかなり困難な道のりになり、現実的でないと思います。

 

現実的な英語スピーキングレベル設定

現実的な英語スピーキングレベル設定としては、自分が英語で話したい分野・話す必要のある分野に限定して、できるだけ日本語を介さずに何とか英語でスラスラ話せることだと考えています。

このレベル設定では、自分が話したい分野・話す必要のある分野以外の分野についての英語スピーキング力の向上はあきらめます。あきらめることにより、それらの分野の英単語を記憶する必要がなくなり、時間の節約となります。例えば、あなたが量子コンピューターの事を英語で話す必要がなければ、それらに関連する英単語を記憶する必要はありません。

多忙な大学生、大学院生、社会人としては、必要な分野を絞り、不要な分野はあきらめると言うのが英語スピーキング学習戦略の第一歩となります。

英語フォニックス
どうやれば自分1人だけで英語スピーキングを独学で伸ばすことができるのか?
 

自分に必要な分野限定での自分1人だけの英語スピーキング学習方法

 

英語で独り言方式

これは通勤・通学の行き帰りなどの時間を使って、周りに見えることなどを英語で独り言を言う学習方法です。この方法論は、ネット検索で何人かの方々により、非常に効果があると唱道されていて、筆者もトライしてみました。しかし、目の周りに見えることを英語で独り言でも説明するのは非常に難しく、「これって英語でなんというのだろう?」が続出し、また独力での英文は自分自身でも非常につたないと感じられるもので、十分な効果が得られないと判断し、数日で断念しました。

 

英語日記方式

英語日記をつけることで英語スピーキング力の向上を図るものです。「英語日記」というタイトルの書籍の中にそのやり方が詳しく記述されています。

この書籍の著者の方は、英語スピーキング力を「自分が話したいことがスラスラ英語で話せること」と定義されています。そして以下のようなプロセスを踏みます。

(1) 日本語で日記を書く。

(2) その日本語を英作文する。

(3) オンライン英会話の先生にその英文を添削していただく。

(4) 添削して頂いた英文をオンライン英会話の先生に音読していただき、録音する。

(5) 録音した音声使って自分で音読練習をしつつ英文を記憶する。

このような感じで、「自分が話したいことがスラスラ英語で話せること」に限定して英語スピーキング力をつけるというのは理にかなった考え方だと思われたので、筆者も実行してみました。

しかし、問題はまず日本語で日記を書く部分です。毎日何を書けば良いのかかなり悩ましいものがありました。毎年日記を書くぞと決意して日記帳を購入したものの、1月初めの数日間だけ日記を書いただけで後は真っ白という人も多いと思います。次の問題は、日記の日本語を英作文するのにものすごく時間が掛かり、出来上がった英文も非常につたない出来栄えでした。そのため、この方法も数日で断念しました。

 

電子メール送信文活用方式

英語日記方式の目標設定の考え方は納得できるものだったので、もっと効率的・効果的に学習ができないものかと考えました。

そこで思いついたのが、仕事で多量に作成・送信している電子メール文を活用することでした。仕事で自分が相手に何かを伝える必要性があるため、電子メール文を作成し送信するので、現実感や必要性が非常に強いものがあり、内容もよく理解できています。

これなら必然的に自分に必要性の高い日本語コンテンツが毎日生成されます。

そして、これをGoogle翻訳やDeepLなどのAI機械翻訳ソフトにインプットして日本語から英語に翻訳します。一昔前はこの種の機械翻訳は実用に耐えないレベルの翻訳だったのですが、昨今は人工知能技術も活用して、日本語から英語への翻訳精度は格段に上がっています。

Google翻訳もしくはDeepLなどのAI機械翻訳の英文で気に入らないところは少し修正して、マイクロソフトExcelなどにインプットすれば、自分用オリジナルの日本語と英語の対訳集が出来上がります。

これを以下のような手順で英語スピーキングトレーニングを実施します。

(1) まず英文をゆっくり正確に音読する。この音読に関しては日本語発声で行っても効果が薄く、英語発声で実施することで英語スピーキングのみならず、英語リスニングにも効果を上げることができます。本件に関しては以下のブログを参照してください。

英文音読学習は英語リスニング力の向上にどうなのか?やり方しだいで抜群の効果が出ます。 (eionken.co.jp)

ちなみに、英語発音に自信がない場合は、その英文をGoogle翻訳にインプットして音声で聞くことも可能です。機械音ですがかなりネイティブに近いスムーズな音声を聞くことができます。

(2) 上記の英文音読をする際、英文がどのような組み立てになっているかにも注目する必要があります。筆者の経験では、英会話教材のような多種多様な英文法の表現パターンの知識は不要で、各種の前置詞、接続詞のthatがうまく利用されて英文が組み立てられていることが判ります。特に前置詞が非常に重要で、”for, in, at, with”などが効果的に使われていることが判り、それらがマスターできると比較的長い英文表現も可能なことが理解できます。英会話書籍やパターンプラクティスではあまり扱わられてこなかった表現技術だと思います。

(3) 上記のようなことに注目しつつ、何回か英文を音読し、すらすら音読できるようにします。

(4) 次にその英文の日本語文の方に目を移して、その日本語文を見ながら、対訳の英語を発声します。最初はすぐには再現できない英文も多いので、その場合はまた英文の音読を何回か繰り返します。

(5) このプロセスを経て日本語文を見ながら、対訳英文をスムーズに発声できるようなったらその1文は終わりとし、次の英文にトライします。

文音読の際は、英語フォニックスにも気を配って実施するとより効果的です。具体的なやり方は下記のブログをご覧ください。

英語フォニックスは何にどう役立つのか? (eionken.co.jp)

 

このトレーニングを積み重ねると、Web会議で海外の方々と英語で会話する際に表現内容や表現方法に上記で学習した英文の内容が少しずつ使えるようになるのを実感できます。

さすがに何も考えずに英語が口をついて出てくるとはなりませんが、発言したい内容がある程度の塊となって頭に思い浮かぶので、それを話している間に、次に言いたいことをの塊を前置詞、接続詞のthat、関係代名詞のwhichなどでつないでいくと言う感じなります。

これでかなりの長さの英文がスムーズにつなげて、言いたいことが表現できるようになります。

 

ちなみに、これをGoogle翻訳、DeepLなどにインプットする日本語文に少し工夫を加えると英語翻訳文の修正が少なくなります。

・日本語の1文をあまり長くしない。例えば「、、、となっており、さらに、、、」は「、、、となっております。さらに、、、」と2文にします。

・日本語文に主語や目的語を若干意識して記述する。これは日本語文の主語や目的語の省略が多いと翻訳の修正も多くなるためです。しかし、主語や目的語を必要以上に日本語に入れると日本語文の方が不自然になりますので、そのあたりのバランス感覚が必要となります。それを避けるには、Google翻訳、DeepLにインプットする前に、実際に送信した日本語文に主語や目的語を追記するやり方でも英語翻訳の修正が少なくなります。

どうやれば自分1人だけで英語スピーキングを独学で伸ばすことができるのか?
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まとめ

専門科目の学習で多忙な大学生・大学院生や、仕事で超多忙な社会人が英語スピーキング学習に取り組むには効率的な学習戦略が必要です。

 

まずは自分が英語で話したいこと、話す必要性が高い内容に絞り、そこでスラスラ英語が話せるようになるという現実的な目標設定が重要です。

 

次に仕事や日常生活で生成した電子メール送信文などの日本語コンテンツを活用して、当面は自力で英作文を頑張ろうとせず、Google翻訳やDeepLなどの翻訳ソフトを駆使して英文を生成して、英文音読と日本語からの英文生成のトレーニングを積むことにより、効率的・効果的な英語スピーキング力の向上につながると思います。

 

電子メールでのコミュニケーションやGoogle翻訳やDeepLなどの翻訳ソフトの進化により、自分オリジナルの日英対訳集の製作が非常に簡単にできるようになり、それを英語スピーキング教材として活用できるような時代となりました。技術の進化・普及を大いに活用して英語スピーキング学習を効率よく実施すべきです。

 

ちなみに英会話において、英語リスニングとスピーキングでどちらが重要かというと、英語リスニングとなります。相手が言っていることが理解できれば、流暢でないトツトツとした英語であっても返事ができます。しかし、相手が言っていることが理解できなければ、返事をすることができず、愛想笑いをするしかありません。英語リスニング力の向上方法については下記のブログを参照してください。

英語が聞き取れる:英語リスニングにおける「英音の認識」と「意味の理解」 (eionken.co.jp)