英語の右脳リスニング・左脳リスニングってどう言うこと?

英語の右脳リスニング・左脳リスニングってどう言うこと?

英語の右脳リスニング・左脳リスニングってどう言うこと?

英語リスニングは、左脳ではなく、右脳ですべきという議論があります。これはいったいどう言う事なのでしょうか?

 

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右脳と左脳

右脳は、イメージ脳と呼ばれ、直感的な感覚や感性・知覚を司ると言われ、創造性や図形、空間の認識に主に使われるようです。

これに対して、左脳は、言語脳と言われ、言語や分析、論理的にものを考えるときに主に使われるようです。

右脳と左脳の議論は、分析や論理ばかりを追求して左脳ばかり使っていないで、右脳を使って感性や創造性も鍛えろと言われたりもしていたような気がします。

右脳・左脳:英語リスニング
右脳・左脳:英語リスニング

英語リスニングと左脳

日本語を母国語とする日本人は英語単語の学習をするとき、英単語の意味を、対応する日本語に置き換えて、その英単語の意味を理解します。

そして、英語音声を理解するとき、聞き取れた英語音声を日本語に置き換えて、英語音声が全体としてどういう意味かを理解する人は多いと思います。

例えば”The right side of the human brain is thought to be used for creating new ideas.”(人間の脳の右側は、新しいアイデアを生み出すために使われていると考えられています。)という英文だと、

”The(その) ⇒ right(右) ⇒ side(側) ⇒ of(の) ⇒ the(その) ⇒ human(人間) ⇒ brain(脳) ⇒ is(います) ⇒ thought(考えられて) ⇒ to(ために) ⇒ be(ている) ⇒ used(使われて) ⇒ for(ために) ⇒ creating(生み出す) ⇒ new(新しい) ⇒ ideas(アイデア).”という感じだと思います。

英語音声は、英語文章と違って、発声された音声はどんどん消えていくので、読み返すことはできませんので、このような形で発声英単語ごとに日本語変換して、意味を理解することが必要です。

これに対して、英語音声は英語のまま理解すべきであって、英語音声を日本語に置き換えて理解しようとするから、英語リスニングが十分にできないのだと主張する人もいます。

しかし、英語を学び始めたばかりの日本人中学生に、英語音声を英語のまま理解せよと言ったところでどうにもならないと思います。まずは母国語の日本語に置き換えて英語音声の意味を理解するしかありません。

昨今、中学・高校の英語教育で、入試に英語リスニングのテストが導入されたこともあり、英語リスニング力の向上に力を入れています。

英語リスニングテストで少しでも点数を上げたいと思うなら、英語音声の中で何とか認識できた英単語を必死で日本語に置き換えて、何とかその意味を理解して、正答率を上げると言うのは現実的な姿だと思います。

その意味で、外国語として英語を学び始めた人にとっては、まずは母国語の日本語を利用して学習するしかなく、その意味では言語処理を司る左脳で英語リスニングするということで良いのだと思いますし、それしかないと思います。

右脳・左脳:英語リスニング
右脳・左脳:英語リスニング

英語リスニングと右脳

左脳を駆使して、英語音声を日本語で理解する方法は、英語発声スピードが遅いときは何とかなりますが、英語発声スピードが速くなるとだんだん対応が難しくなるのも確かです。

そんな時に英語音声をイメージに変えて英語音声の意味を理解すると言う方法を勧められたりします。英語音声を日本語に変換するより、イメージの方が早く変換できるので、速い英語音声の意味も把握しやすくなるでしょうという理屈です。

イメージ脳たる右脳を駆使した右脳英語リスニングの方法だと言えます。できるだけ英語音声をイメージで認識しようと意識的に努力すると、それなりに英語音声をイメージ化して意味を認識することが可能となるのも確かです。

しかし、英語音声をイメージ化するにも時間がそれなりにかかるので、かなり速い発声速度の英語音声についていけなくなるものも事実です。

【将棋の指し手の読み】
将棋のプロ棋士の方が、アイマスクをしたまま、対局するという番組を見たことがあります。

将棋のプロ棋士の方々は頭の中に将棋盤のイメージがあって、その盤上でイメージの将棋の駒を動かして、指し手を考えることができるそうです。

ですので、アイマスクをしたままでも対局ができるという訳です。

小さい頃から将棋盤上で何百手も先まで指し手を考える経験をたくさん積んだことから自然にできるようになった能力だと想定されます。

先ほどの英語リスニングで言うと、英語音声をイメージに変えて聞くのも、訓練を積めばある程度熟練して英語音声の意味を把握できるようになるのだと思います。

NHK将棋プロ棋士藤井聡太の特集番組を見たことがあります。インタビューで指し手の読み方をどうしているかを問われた時、藤井聡太氏は、頭の中では将棋盤上で将棋の駒をイメージで動かして指し手を読んでおらず、「符号」で読んでいくのだそうです。

「符号」とは、将棋盤のマス目の縦の列を算用数字で、横の列を漢数字で番号を付けて、将棋盤の9x9の81個のマス目の位置を特定させる仕組みです。将棋のテレビ番組で「次の指し手は8五銀でした」などと表現しています。

符号イメージを駆使して将棋の指し手を考えるというのは門外漢には想像がつき難いですが、盤上で駒のイメージを動かすよりも指し手をかなり速く読むことができるそうです。

盤上の将棋の駒という物理的に存在するイメージではなく、符号という抽象的な文字の記号でもイメージングできるというのは驚きですが、これも小さい頃から将棋盤上で何百手も先まで指し手を考える経験からできるようになった能力だと想定されます。

将棋
将棋

【英語音声のまま理解】
英音発声特性を十分に加味して英語音読トレーニングの努力を継続すると、英語聴覚脳が強くなってきて、英語単語音声のキャッチ力が強まってきます。

そうすると、認識できた英語音声の英単語1つ1つが音声の単語のまま頭の中を流れるようになります。

例えば”The right side of the human brain is thought to be used for creating new ideas.”(人間の脳の右側は、新しいアイデアを生み出すために使われていると考えられており、感情の出所になっていると考えられています。)という英文だと、

”The ⇒ right ⇒ side ⇒ of ⇒ the ⇒ human ⇒ brain ⇒ is ⇒ thought ⇒ to ⇒ be ⇒ used ⇒ for ⇒ creating ⇒ new ⇒ ideas. “という感じで、単語のスペリングではなく、英単語が音声の塊で1つずつ流れていく感じです。

この英文の例だと音声を聞き終わると「右脳は新たなアイデア出しに使われるのね、了解」という感じです。

そうなってくると少々の高速英語音声でも楽に意味を理解することが可能となります。これは、プロ棋士の方々の符号イメージを使った指し手を考えるのと、レベルはかなり違いますが、似たような頭の使い方のような気がします。

ここまでくると、英語を英語のまま聞き取れるということができるようになります。

英語を英語のまま聞き取れるというのは単なる意識の集中の問題ではなく、英音発声特性を十分に加味して英語音読トレーニングの努力をして、英語聴覚脳を構築するということなのです。

ちなみに、右耳から聞いた音声は左脳に伝達され内容を認識し、左耳から聞いた音声は右脳に伝達され内容を認識すると言う脳聴覚構造があるそうです。

そして、左耳から聞いた方が英語をよく聞き取れるという人を見かけました。

本当にそうなのかと思いましたが、一応、確認することにしました。

英会話音声をイヤフォンで右耳からと左耳からと別々に聞いてみました。驚くべきことに右耳から聞くよりも、左耳から聞いた方が英語音声を良く聞き取れて、意味も理解しやすいものがありました。

筆者の場合、英語音声は英単語音声が、英単語ごとに区切れて音声の塊が流れていくイメージなので、右脳で英語音声処理ができているのかもしれないと思いました。

ただこれを以てして、英語音声は左耳からイヤフォンで聞いて学習した方が良いと主張している人もいますが、それは違うような気がします。

左耳から入ってきた英語音声処理を右脳でできるのは英音発声特性を十分に加味して英語音読トレーニングの努力を継続すると、英語聴覚脳が強くなってきて、英語単語音声のキャッチ力が強まった結果論であって、英語音声をただ単に左耳から聞いただけでは英語聴覚脳の構築はできません。

聞き流し英語で英語リスニング力が思ったほど向上しないのと同じ理屈です。

右脳・左脳:英語リスニング
右脳・左脳:英語リスニング

まとめ

日本語母国語の人は、日本語音声を聞いたとき、その聞いた音声の流れのまま内容をすんなり理解できます。

英語が母国語の人が英語音声を聞いた時も同様です。

しかし、日本語が母国語の人が、外国語である英語音声を聞いたときには、簡単に意味を理解することができません。

日本語と英語では発声特性が構造的に異なるので、日本語母国語の人の日本語聴覚脳では、英語音声は単なる音の流れとしか認識できず、意味の理解はできません。

英語音声を英単語単位で意味を認識するには、英語特性を十分に加味した英文音読トレーニングを積むことが有効です。

文音読というと、トライしたことがある人も多いと思います。

そして止めてしまっていると思います。その理由は簡単で、時間と労力をかけても英語リスニング力向上の効果が感じられないからです。

なぜ、有効とされる英語音読トレーニングの効果が感じられないのでしょうか?

それは日本語発声特性で英文音読トレーニングをしてしまうからです。

日本語発声特性で英文音読トレーニングをしても、英語聴覚脳は構築できません。

逆に英語発声特性を十分に加味して文音読トレーニンを積むと英語聴覚脳が構築することができ、英語リスニング力の向上が期待できます。こうなると、英語音声は単語ごとに区切れて認識できるようになります。

そして次に問題なのが、認識された英単語音声の意味の認識です。

とりあえずは、言語脳の左脳を駆使して認識した英単語音声を日本語に置き換えて意味を理解するしかないと思います。

しかし、英語発声特性を十分に加味して英文音読トレーニングを積むうちに、英語音声の意味をイメージ化し、さらには英単語を音声符号イメージで意味を認識することが可能となります。

イメージ脳である右脳を使った英語発声音の意味を理解する方法と言えます。

英音研学習サイトで、英語発声特性の解説及びトレーニング教材を提供していますので、ぜひ、左脳リスニングから右脳リスニングへと進化して、英語リスニング力の向上を図って頂ければと思います。