腹式呼吸で英語発声するのはどうなのか?

腹式呼吸で英語発声するのはどうなのか?英語スピーキング力・リスニング力を向上させる重要な要素ですが、それだけでは足りません。

腹式呼吸で英語発声するのはどうなのか?

日本語は胸式呼吸での発声なのに対して、英語は腹式呼吸で発声するものだとするコメントがよく聞かれます。

腹式呼吸で発声すると、英語の発音が良くなり、ひいては英語リスニング力も向上するのでしょうか?

英語発音における腹式呼吸の真実を解説します。

 

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腹式呼吸  胸式呼吸

空気の呼吸において肺自体は自ら伸び縮みしません。

空気の呼吸は、肺の周囲の筋肉や骨の動きによって伸ばしたり縮めたりすることによって行われます。

日常生活で、空気の呼吸の仕方について特段意識したりしませんが、主に胸式呼吸と腹式呼吸との2つの呼吸法があります。

胸式呼吸とは、胸の肋骨と肋骨の間の筋肉(肋間筋)を使って、肋骨の上げ下げにて行われる呼吸法です。

腹式呼吸とは、胸腔と腹腔を仕切っている膜状の筋肉である横隔膜を使う呼吸法です。

肋間筋や肋骨の方が動く範囲が少なく、横隔膜のほうが動く範囲が大きいため、胸式呼吸よりも腹式呼吸のほうが肺活量は多いものとなります。

オペラ歌手の方々は大きな声でものすごく長く歌うことができますが、腹式呼吸を使った発声トレーニングで横隔膜を大きく動かせるため、一般の人に比べて声量がものすごく大きい訳です。

一般の人が腹式呼吸を実感できる簡単な方法があります。

仰向けに寝て、片手を胸に、もう片手をお腹に置いてみましょう。

それで普通に呼吸してみると、胸よりもお腹が動いていることが実感できると思います。

このお腹に空気を入れて出すイメージの呼吸法が腹式呼吸となります。

腹式呼吸 英語発声
腹式呼吸 英語発声

英語は腹式呼吸で発声しているのか?

では、英語は腹式呼吸で発声しているのでしょうか?

英語ネイティブスピーカーに「あなたは腹式呼吸で英語を発声していますか?」と質問したとしたら、ほとんどの人は「そんなことは気にしたことはない」「必要に応じて息を吸って話しているだけ」と答えることでしょう。

我々日本人も「あなたは胸式呼吸で日本語を発声していますか?」と質問されたら、ほとんどの人は「そんなことは気にしたことはない」「必要に応じて息を吸って話しているだけ」と答えることでしょう。

母国語というものは、自然な営みなので、そのような回答になって当然ですが、日本語と英語の発声方法を比較したときには、ちゃんと特徴が出るものです。

英語の方が、日本語よりも、息が深く、息の流れが長く、発声の強弱があるのは確かだと思います。

腹式呼吸 英語発声
腹式呼吸 英語発声

腹式呼吸による誤った英語発声

筆者は、かなり前に英語は腹式呼吸で発声するものだと言う話を聞いて、ともかく深く息を吸って、強く発声すると言うのを、長きにわたって実践してきました。

しかし、それだけでは英語らしい発音にならないし、英語ネイティブスピーカーに対して通じにくいし、英語リスニング力も向上しないという現実に直面しました。

これは発声法だけでなく、英単語の発音をよくする必要があると考えて、数万円もするCD付き英語フォニックス教材を買い求めて何度もCD音声に合わせて発声トレーニングをしました。

そして、腹式呼吸と英語フォニックスの勉強成果を活用して、英文音読トレーニングも頑張りました。

しかし、それだけでは英語らしい発音にならないし、英語ネイティブスピーカーに対して通じにくいし、英語リスニング力も向上しないという状況に変わりはありませんでした。

もはや英語スピーキング・リスニングの才能がないのではと心が折れるものがありました。

腹式呼吸 英語発声
腹式呼吸 英語発声

英語の先生は米国テレビドラマの俳優さんたち  

何とか気を取り直して、発想を変えて現実から学んで英語発声を捉え直そうと考えました。

自分の英語発声と英語ネイティブスピーカーの発声のどこがどう違うのかを米国テレビドラマの俳優さんたちのセリフ発声で検証してみました。

米国テレビドラマの俳優さんたちのセリフの発声を目を凝らして耳を凝らして観察しました。

いろいろな発見がありました。

米国の俳優さんたちは、確かに日本人と比べて確かに息を流した感じで発声しているが、力んでいる訳ではありません。

VやFの発音は、発音の教科書では上の歯で下唇を強く弾くと習いましたが、そんなことをしている米国人俳優さんはほとんどおらず、軽く上の歯を軽く下唇にあてて、普通の強さで息を流している感じでした。

THの発音は、発音の教科書では舌を上の歯と下の歯で挟んで強く息を流すと習いましたが、そんなことをしている米国人俳優さんはほとんどおらず、舌を上の歯と下の歯で軽くあてて、普通の強さで息を流している感じでした。

その他、強弱リズムと高低リズムなども、教科書で習ったものと、米国人俳優さんの発声はだいぶ違っていました。

米国人俳優さんの発声は、日本人からするとまるで軽い歌を歌っているような発声方法でした。

今から思えば、日本の英語発声の教科書は、特徴をはっきり出すために、やや大げさに説明していたのだと思います。

そして日本語にはない音声なので、正確に発音しようとして力みがちとなります。

そこで、米国人俳優さんのセリフの音声に合わせて、米国テレビドラマのセリフのスクリプトを音読することにしました。

米国人俳優さんのセリフの音声・リズムとできるだけ近い音声・リズムを出せるにはどうしたら良いか、何度も息の流し方、声帯の使い方、舌の使い方、唇の使い方などを試行錯誤して、体感していきました。

正直、腹式呼吸を使って強い発声をするという単純なものでなく、息の流し方、声帯の使い方、舌の使い方、唇の使い方などをトータルに調整する必要がありました。

それまでは、全く視聴したことがないエピソードを英語のみ字幕なしで米国テレビドラマを視聴しても、英単語が少し拾えるくらいで、あとは単なる音の流れとしか聞こえず、米国人俳優さんたちのセリフの意味を聞き取ることができませんでした。

しかし、英音発声のコツを箇条書きにして書き出して、米国テレビドラマのセリフのスクリプトを音読の場面に合わせて、セリフのスクリプトを音読するトレーニンを続けたところ、突然、米国人俳優の方々のセリフがクリアに聞き取れるようになったのです。

それはあたかも、衛星テレビ放送の電波に、衛星放送用テレビアンテナの向きがぴたっとあったような感覚でした。

腹式呼吸 英語発声
腹式呼吸 英語発声

英音研学習における英文音読トレーニング手法

【日本語聴覚脳】

日本語を母国語とする日本人は、日ごろ日本語の生活環境にいて、日本語聴覚脳が構築できているので、日本語音声を単語単位で認識し、その意味も日本語ベースで認識することができ、日本語音声をたやすく聞き取ることができます。

日本語の発声特性と英語の発声特性は構造的に大きく異なるため、日本語聴覚脳で、英語発声音を英単語単位で1つ1つキャッチすることは難しいものとなります。

そのため日本人が英語発声を英単語単位で1つ1つ認識できるようになるには、英語聴覚脳をトレーニングにより構築する必要があります。

 

【英語聴覚脳を構築するトレーニング方法】

それではどのようなトレーニングを積むと英語聴覚脳が構築できるのでしょうか?

それは、英語発声特性を活用した英文音読トレーニングを実施することが効果的です。

文音読ですかあと感じられた方も多いと思います。

文音読が英語力向上に役立つと聞いてトライした方も多いと思います。

そしてほとんどの人は音読を止めていると思います。

理由は簡単で、文音読は労力と時間が掛かる割に、英語リスニング力を始めとして英語力が向上したとは感じられないからです。

 

なぜ英語音読をやっても効果が感じられないのでしょうか?

それは日本語発声特性で英語音読をしてしまうからなのです。

日本語発声特性でいくら英文音読をやっても英語聴覚脳の構築はできません。

逆に英語発声特性を十分に加味して英文音読をすると、英語聴覚脳が構築でき、驚くほど英語リスニング力が向上して、英語発声を英単語単位で1つ1つ認識できるようになります。

 

【英語発声特性】

それでは英語発声特性とはどのようなものでしょうか?

英語発声は、呼気の流し方、音階、舌の使い方、口の開き方など、日本語発声の仕方とかなり異なります

詳しくは英音研学習サイトで詳しく具体的に図解で解説していますので、ぜひそちらをご覧ください。

 

【英語聴覚脳の構築方法】

上記の英音研学習サイトをみれば、英語発声特性を理解することはそれほど難しくありません。

しかし、理屈を理解しただけでは英語聴覚脳を構築することはできません。

英語聴覚脳を構築するためには英語発声特性を加味した英語音読トレーニングを毎日短時間で良いので継続的に実施することが必須です。

英語発声特性の土台は、呼気の流し方、音階、舌の使い方、口の開き方などが非常に重要です。これらをきちんと実践しつつ、英文音読をする必要があります。

文音読では英単語のアルファベット1文字1文字をきちんと発声する必要があり、英語フォニックスを毎日1~2分復習することにより脳に刻み込むことが非常に重要です。

そして、1英単語ベースでは音節、アクセント強弱を意識した発声も毎日数分復習することにより脳に刻み込むことも非常に重要です。1英文での強弱を意識した発声を数分復習することにより脳に刻み込むことも非常に重要です。

そのうえで英音研学習サイトでは、米国人ナレーターによる音声録音により、英語フォニックスなどの基礎的な学習から、英文を低速・中速・高速の3種で読み上げるトレーニングも実施します。

高速音声に関しては、音声装置を使って機械的に2倍速や3倍速などの不自然な音声ではなく、米国人ナレーターによる肉声での高速発声録音になっていて、高速発声になったとき、どのような強弱リズムになるのかなど非常に勉強になりますので、トライしみてください。

そして米国人ナレーターの高速発声に近い音読ができるようになったとき、英語ネイティブスピーカーの発声方法がどれほど日本語発声方法と違うかということが良く理解でき、そして英語聴覚脳が構築でき、自然体で英語リスニング力が向上していることを実感できることでしょう。

このような音読トレーニングを毎日15分間続け、英音発声特性を脳に刻み込むことにより、英音聴覚脳を構築することができ、英語発声を英単語単位で1つ1つ認識できるようになる訳です。

腹式呼吸 英語発声
腹式呼吸 英語発声

まとめ

英語は腹式呼吸で発声するものだというのは1つの真実ではありますが、それだけをとらえて、腹式呼吸で強く発声しても、かえって力みが入った発声となるため、英語スピーキング力はもとより、英語リスニング力も向上しません。

腹式呼吸のみならず、息の流し方、のどの使い方、舌の使い方、口の使い方などがトータルに調整がとれたとき、英語の正しい発声方法となり、英語スピーキング力はもとより、英語リスニング力も向上します。

英音研学習サイトでは、日本語と英語の発声特性の違い解明し、日本人がどこをどのように注意して英語発声をすべきかを体系化し、図表で見える化しました。

この英語発声特性を加味した英文音読トレーニングを積むことにより、英語聴覚脳を構築でき、英語リスニングが向上します。

ぜひ皆様も、衛星テレビ放送の電波に、衛星放送用テレビアンテナの向きがぴたっとあったような感覚を味わっていただいて、英語リスニング力を伸ばし、人生の目標を達成して頂ければと思います。