なぜ多くの日本人は米国映画・テレビドラマを英音のみ・字幕なしで楽しめないのか?

なぜ多くの日本人は米国映画・テレビドラマを英音のみ・字幕なしで楽しめないのか?

なぜ多くの日本人は米国映画・テレビドラマを英音のみ・字幕なしで楽しめないのか?

TOEICで満点の990点の人でも、米国映画・テレビドラマを英音のみ・字幕なしではなかなか楽しめない人が多いと言います。

なぜ、そのようなことになるのでしょうか?多くの日本人は米国映画・テレビドラマを英音のみ・字幕なしでなぜ楽しめないのか、その理由を解説したいと思います。

 

英音研リスニング学習の詳細は英音研公式サイトご覧ください。

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米国映画・テレビドラマを英音のみ・字幕なしで楽しめない理由(1)日英語発声特性の構造的な違い

1つ目は日本語発声特性と英語発声特性の構造的な違いです。

米国映画・テレビドラマのセリフ台本(script)を確認すると、中学レベルの単語のみで知らない単語はまったくないのに聞き取れない事が非常に多くあります。

日本語環境で生活していると、当然ながら日本語発声特性での音声をたくさん聞き、日本語聴覚脳が構築されていて、それで発声内容を理解することができます。

しかし、日本語発声特性と構造的に異なる英語発声は、日本語聴覚脳ではその意味するところをキャッチできず、発言内容を十分理解することができません。

それでは英語と日本語の発声特性はどのように異なるのでしょうか?

言語発声特性として、例えば強い音・弱い音、高い音・低い音があります。

英語は主として強い音・弱い音の出し訳で単語や文意を表現することが特徴となっています。

これに対して、日本語は主として高い音・低い音の出し訳で単語や文意を表現することが特徴となっています。

英単語の発音記号にはアクセントが付記されていますが、英語ネイティブスピーカーはアクセントのあるアルファベットを強く発音し、アクセントのないアルファベットは弱く発音します。

日本語ネイティブスピーカーはアクセント部分を高い音を出して発音しがちです。

また1文の中で、強調したい単語は強く発音し、そうでない英単語は弱く発音します。

例えば “While there is life there is hope.”(生きているかぎり希望がある。)という格言の場合、“life”と“hope”が強調される英単語となりますが、英語ネイティブスピーカーの場合、発声を強めることで強調します。

これに対して日本語ネイティブスピーカーは、この2つの単語の発声を高くすることで強調しがちです。

日本語ネイティブスピーカーは高低音で発声言語を認識しようとする聴覚脳になっているので、英語の強弱音での発声音を認識することが苦手となる訳です。

発声音の強弱、高低に加え、発声音階、息の流れの強さ・弱さ、発声リズムの長短、発声時の舌の力感などに関して、日本語と英語では構造的に異なることが、私たち日本語ネイティブスピーカーが英語リスニングを苦手とする大きな原因となっています。

これらの日英の発声特性の構造的な違いを英音研では解明し、チャートに図示することで視覚的に理解できるようにしました。

そして、これらの構造的な違いをどのように克服するかを英音研学習にて提示していますので、ぜひチャレンジしてみてください。

英語のみ字幕なし
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米国映画・テレビドラマを英音のみ・字幕なしで楽しめない理由(2)早いセリフの発声スピードについていけない

2つ目は米国人俳優の方々のセリフの発声スピードです。

一般的な日本人向け英会話教材の発声スピードは、1分間に180~250語程度であるのに対し、米国映画・テレビドラマの俳優の方々のセリフ発声スピードは1分間に250~350語程度とかなり速い現実があります。

日頃、遅い発声スピードの英会話に慣れて聞き取れていたとしても、それに比べてかなり速い米国映画・テレビドラマの俳優の方々の英会話に対応できるような速い発声スピードでのリスニングトレーニングが十分でなく、聞き取ることが難しくなるものと考えられます。

超速英語音声教材などは早い発声スピードへの対処方法とも言えますが、音響機器を使って機械的に音声スピードを上げているので、発声音の不自然さの違和感はかなりなものがあります。

英語ネイティブスピーカーの速い発声スピード音と、音響機器を使った2倍速や3倍速の発声音はかなり違ったものとなるので、英語ネイティブスピーカーの速い発声スピード音で音読学習をする必要があります。

英音研学習では、米国人ナレーターの自然音声で1分間に330語の発声スピードでの英文読上げ教材を提供しているので、ぜひトライしてみてください。どのように発声すると、発声スピードを上げられるのか多数の英語例文を通じて体感的に学習することができます。

英語のみ字幕なし
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米国映画・テレビドラマを英音のみ・字幕なしで楽しめない理由(3)口語英単語・英熟語力不足

3つ目は米国映画・テレビドラマで使われている口語英単語・英熟語力が十分でないからです。

日本の大学受験英語で扱われる英単語・英熟語は読み書きのための文語体に使用される単語に非常に偏っており、多くの日本人にとって、米国映画・テレビドラマ英単語・英熟語にはあまり馴染みがない状況となっています。

日本語で言うと「めっちゃ、うれしい」と言う俗語の話し言葉は若い日本人世代には馴染みのある表現ですが、それは知らず、文語体の表現である「大変うれしいものがあります」の表現のみ学習した外国人という感じです。

文語体での表現でも意味は通じますが、口語体の方が、感情を込めで日常会話では自然な表現となります。

米国のテレビドラマを見ていると以下のような表現は非常に良く出てきます。

“Let’s get real.” 現実に目を向けよう。
“What a shocker! ” これは驚いた。
“Just chilling.” くつろいでいるだけ。
“It’s no big deal.” それ大したことじゃない。(簡単だよ)
“I was dumped.” 振られちゃった。
“It stinks.” うさんくさい。
“This sucks.” 最低だ。
“We blew it.” 我々はとちった。
“You’re making this up.” でっち上げだ。

短い表現の中でも非常に感情がこもった日常会話での自然なセリフです。

米国映画・テレビドラマで意味のわからない英単語・英熟語は、聞き取ることは難しく、当然、意味を理解することもできません。

このような米国映画・テレビドラマで使われる口語英単語・英熟語は多数あり、地道に記憶する努力は必須です。

口語英単語・英熟語に関して、どのような学習教材があるかは別のブログで書きましたので、そちらを参照してください。

英語リスニングにおける英単語・英熟語の悩みをどう解決するか?

https://www.eionken.co.jp/note/english-word-idiom-listening/

英語リスニングにとって英単語学習はどう進めるべきか? 英単語記憶学習は地道にやるしかないです。

https://www.eionken.co.jp/note/english-listening-word/

英語リスニングにとって英熟語学習はどう進めるべきか? 記憶学習が必須だが、音声付きの良い英熟語教材が少ないと言う問題があります。

https://www.eionken.co.jp/note/english-idiom-listening/

英語のみ字幕なし
英語のみ字幕なし

米国映画・テレビドラマを英音のみ・字幕なしで楽しめない理由(4)実用英文法力不足

4つ目は、コミュニケーションのための実用英文法不足が挙げられます。

日本の大学入試向け英文法は、抽象的で難解な理論的説明が非常に多く、内容の理解が容易ではありません。

原則から外れている例外的な用例の説明も非常に多く、それらを覚えるのも簡単ではありません。

直接話法と間接話法の書き換え、受動態と能動態の書き換えなどあまりに技術的な側面に重点をおいた演習問題なども出題されています。

これに対して、コミュニケーションのための実用英文法は、英語の「読み・書き・聞き・話し」、すなわち、英語を使うための文法を解説したものです。英米人が英語を書き、話す時の感情を解説しており、非常にわかりやすいものがあります。

例えば、学校英文法では、「have+過去分詞形」で表記される現在完了は「継続、経験、完了、結果」の4つの意味を表しますと説明されたり、「過去に起きたことを扱っているが、過去形とは違う」など説明されたりしています。

中学・高校の頃、英語になぜこのような時制が存在するのか、良く理解できませんでした。

学校の英語の試験に出題されるので、そのために用法と例文を丸暗記でした。この状況では現在完了を会話で活用するのは難しいものがありました。

これに対して社会人になってから学習した実用英文法では、現在完了は「過去に起きたことが、現在にもつながっている気持ちを表している」という時制で、“I have lost my wallet.”は「財布を無くして、今も見つかっていなくて残念だ」という気持ちを表しているとの解説がありました。

これにより現在完了という時制を使う英米人の気持ちが一気に理解できました。

これにより現在完了と言う時制を使って気持ちを込めて会話や文章で表現することもできるようになりました。

コミュニケーションのための実用英文法を解説した書籍は日本語・英語ともいくつか良書が出版されており、それらを購入して別途学習してください。米国映画・TVドラマを英語・字幕なしで楽しむのに、非常に役立ちます。

英語のみ字幕なし
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米国映画・テレビドラマを英音のみ・字幕なしで楽しめない理由(5)米国事情への理解不足

日本人が米国映画・テレビドラマのリスニングを苦手としている5つ目の理由として米国事情への理解不足もあります。

米国事情とは、米国の歴史・地理・政治、社会制度、ビジネスや生活習慣、有名テレビ番組、有名人(政治家、俳優、司会者、コメディアン、文化人など)、日常雑貨商品などですが、米国で、長年、日常生活をしていないとなかなか把握・理解は難しいと思います。

例えば、お風呂掃除をしていた米国人の奥さんが、掃除洗剤が足りなくなったので、米国人の旦那さんに買って来てほしいと頼むシーンですと、洗剤のブランド名がセリフの中に出てきます。

米国人家庭だと、よく知られている洗剤ブランド名だと思うのですが、日本では馴染みがないとするとそのセリフを100%理解することは難しくなります。

しかし、そこまでの英単語力となると米国で長年日常生活を送らないと難しいものがあります。

ただ、昨今は、米国事情に関しては、調べようと思えば、インターネットで簡単に調べることができるようになったので、こちらもマメに調べるかどうか手間の問題となりつつあります。

英語のみ字幕なし
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まとめ

なぜ多くの日本人は米国映画・テレビドラマを英音のみ・字幕なしで楽しめないのか、主な理由としては以下の5つ要因が考えられます。

(1)日英語発声特性の構造的な違い
(2)早いセリフの発声スピードについていけない
(3)口語英単語・英熟語力不足
(4)実用英文法力不足
(5)米国事情への理解不足

英音研学習では、これまで有効な学習方法が提示されて来なかった日英語発声特性の構造的な違いについて、主な違いを解明し、体系化し、図式化しました。

そして日本語環境で日常生活を過ごして日本語発声特性で会話している日本人が、どのように発声すれば英音発声特性に近くなるのかを、図式化しました。

この英音発声特性をベースに米国映画・テレビドラマの俳優の方々のセリフを音読することにより、英音聴覚脳を構築でき、英語リスニング力の向上が期待できます。

加えて早いセリフの発声スピードに関しては、米国人ナレーターによる1分間に180語程度の低速、250語程度の中速、330語程度の高速の3段階の発声スピードでの英文読上げ教材を提供して、高速の音読トレーニングを積むことも可能としています。

これにより、高速スピードに対応できる英音聴覚脳を構築でき、日本人にとっては高速発声スピードである米国人の俳優の方々のセリフ発声スピードでもリスニングができる期待が持てます。

 

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どのように米国映画・テレビドラマを英語学習に活用したらよいか?
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どのような考え方で英語学習教材としての米国テレビドラマを選択すればよいのか?
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